IDCFクラウドをご利用のお客さまに、日々のお仕事への取り組みなどをお聞きするこのインタビュー、今回は「トラブルが起きたって楽しんで乗り越えていけばいい」と語ってくれた馬木崇さんのお話です!
IDCフロンティア スタッフ(以下IDCF): 「馬木さん、本日はよろしくお願いします!さっそくですが、馬木さんの社会人一年目のお仕事について教えていただけますか?」
馬木崇さん(以下馬木さん): 「あ、歴史からいきますか。新卒で入社した会社で、僕はまず官公庁のシステム導入にかかわりまして。」
IDCF:「官公庁の。」
馬木さん:「ええ。半年後にはリリースされるよ、という局面で。『馬木くん、データベースが出来て、ネットワークもわかるよね』と言われて、そのプロジェクトにかかわったんです。」
IDCF:「印象に残ったタスクはありましたか。」
馬木さん:「そうですね、現場スタッフの運用マニュアルを作成したときのことなんですけど。」
IDCF:「はい。」
馬木さん:「ある時、運用マニュアルに、僕は『電源を投入する』って一行書いたんです。」
IDCF:「『電源を投入する』。」
馬木さん:「ええ。そうしたら、それを読んだ上司から『馬木くん、この書き方だと、現場スタッフは動けないよ』と指摘されまして。」
IDCF:「と、おっしゃいますと。」
馬木さん:「たとえば、電源が対象機器のどの位置にあって、電源を投入する操作はどうするのが正しいのか、そこまで細かくマニュアルに書かないと、現場のスタッフは確実な作業ができないよ、と言われたんです。」
IDCF:「なるほど。」
馬木さん:「大学出たての頃の僕が、それまで会話していた人たちって、自分と同じスキルレベルか、とんでもなくハイレベルの人かのどちらかだったんですね。だからそのギャップに驚いたというか、確実に人に動いてもらうためのお作法って大事なんだな、と思いましたね。」
IDCF:「なるほど…どんなスキルレベルの人も、一意の作業ができるように、と。」
馬木さん:「正直、当時の僕はとんがっていたので、『なんでこんな簡単なこと、わからないんだろ』って思うところもあったんですけど(笑)。」
IDCF:「な、なるほど。」
馬木さん:「その後、データのスクリプト管理などをしていましたが、いよいよその官公庁へのシステム導入が始まりまして。現場に行くことになったんです。」
IDCF:「馬木さんが作ったマニュアルが利用される現場に立ち会われた、と。」
馬木さん:「そこで目にしたのは、『お客さまは想定通りに動いてくれるとは限らない』ってことで。」
IDCF:「と、おっしゃいますと。(デジャブ)」
馬木さん:「マニュアルを見ながら、実際の操作をする現場に立ち会ったんですが、僕はそこで驚くべき光景を見ましたね。あ、昔の話ですよ。」
IDCF:「ええっと、はい。」
馬木さん:「想定通りにいかない、という点では、システム運用が始まってからもいろいろありました。ある時、管理していたデータベースに障害が発生しまして。」
IDCF:「キターッ。」
馬木さん:「もともと、そのデータベースは、プロジェクトで指定されたソフトウェアで構築されたものだったんですけど。バックアップデータから復旧しようにも、うまく動作しないので、サポートに問い合わせると『バックアップデータから復旧してください』という回答で。」
IDCF:「それがうまく行かないから問い合わせをしたわけで。」
馬木さん:「そうなんですよね。最初から構築をやりなおした方が早いんじゃないかという局面でした。その時、『壊れちゃったら、サポートは当てにならない。そうなった時にあわてない自衛策を準備するべき』と実感しましたね。」
IDCF:「運用する側は、大変な事態でしたね。」
馬木さん:「ええ、振り返ると、楽しいトラブルはいろいろありました。」
IDCFクラウドのロゴ「MORIO」の力こぶを両腕で表現!
ダブル「MORIO」ポーズの馬木さんです!
IDCF:「その会社には長くお勤めだったのですか。」
馬木さん:「足かけ3年くらいでしょうか。担当していたデータベースが安定稼働するようになって、次のサブシステムを構築しようという段階になったんです。気持ちに一区切りついていたんでしょうね、その頃、知り合いから『データベース、詳しいよね』と誘われて、某エンターテイメント会社へ転職しました。」
IDCF:「次のステージへ。」
馬木さん:「転職して最初の仕事は、会議室の予約システムを作ることでした。」
IDCF:「会議室の予約システム。」
馬木さん:「ええ、当時は会議室の予約のために、わざわざ受付があるフロアに行かないと、確認できない仕組みだったんです。あった方がいいよね、と思ったんで、作っちゃいました。」
IDCF:「なければ作る。」
馬木さん:「ええ。その後、必要に応じて、備品予約システムとか、新しいサービスの企画コンペのシステムとかも作りましたね。」
IDCF:「何名くらいで開発したんですか。」
馬木さん:「そのあたりのシステムは一人ですね。」
IDCF:「一人。」
馬木さん:「そこでは、サーバーの機器調達から、システムのプログラム書いて、運用に落とし込むまで、それこそ『ゆりかごから墓場まで』全部一人でやりました。」
IDCF:「全部…ですか…。」
馬木さん:「そうするうちに、また知りあいに誘われて、次の転職をすることになりまして。」
IDCF:「はい。」
馬木さん:「次の会社では、とあるゲーム系のサービスを手掛けることになったのですが。ここで、サービスを楽しむユーザーの反応をすぐ近くに感じながら、仕事をするようになりました。」
IDCF:「ユーザーの反応ですか。」
馬木さん:「それまでは、『ユーザーの反応って、怖い』ものだと思っていたんですけど。実際は違いましたね。楽しむ側のユーザーが、作る側の提供者を気遣うような、そんなユーザーの優しい気持ちを感じながら、モノづくりができました。」
IDCF:「なるほど。そこで、ユーザーへの思いが変わったんですね。」
馬木さん:「その後は、あるソーシャルの会社を経て、現在の会社に入社しました。」
IDCF:「また『データベース出来るよね』と誘われたんですか。」
馬木さん:「どうだったかな。当時、古巣の会社に戻る話もあったんですが、その頃、東日本大震災が発生しまして。早く仕事したい気持ちが強くなっていた頃に、今の会社の社長の面談をきっかけに、入社を決めました。」
IDCF:「それまでと何か違いはありましたか。」
馬木さん:「今の会社は、レイヤー別にタスクがきちんと整理されているんです。昔はそれこそゆりかごから墓場まで一人でやっていたことを思うと、今の僕は『ラクしてるなあ』って思います(笑)。」
IDCF:「より専門的になられたということだと思います。現在は、エンジニアを束ねる管理職のお立場なんですね。」
馬木さん:「ええ、プロジェクトメンバーのアサインなどを行っています。」
IDCF:「IDCFクラウドに出会ったのは、その頃でしょうか。」
馬木さん:「そうですね。その頃、IDCフロンティアの営業さんと出会いまして。僕はその頃、現場を離れていて、最近コード書いてないな、サーバーいじってないな、という時だったんですけど、安くて気軽に使えるIDCFクラウドを試すようになりました。」
IDCF:「お試しいただいて、どうでしたか。」
馬木さん:「エントリーグレードの仮想マシンについても、パフォーマンスがいいなと感じています。機能追加や改修のペースも速いですよね。」
IDCF:「ありがとうございます。」
馬木さん:「あと、情報公開に積極的ですよね。特に、メンテナンス情報とか。」
IDCF:「はい、IDCFクラウドの運用は、そこに力を入れています。」
馬木さん:「今後は、サービスメニューの充実も期待します。」
IDCF:「承知しました。IDCFクラウドは、2016年も新機能をリリースしていきます!馬木さんがこれからやってみたい、新しいチャレンジはありますか。」
馬木さん:「Pepper(ペッパー)ですかね。Pepperで既存のゲームコンテンツにとらわれない、新しいビジネスが出来ないか、模索中です。」
IDCF:「わくわくしますね。」
馬木さん:「ええ、新しいこともいろいろやっていきたいと思っています。」
IDCF:「馬木さんがお仕事上で、大事にしていることって何ですか。」
馬木さん:「そうですね…。私達が手掛けたサービスを、お客さまは喜ぶだろうかという点ですね。社内のだれかが喜ぶのではなくて、その新機能をお客さまが喜ぶかどうかには、こだわっていきたいです。」
IDCF:「そのお気持ちは、どこで培われたのでしょうか。」
馬木さん:「そうですね、社会人になりたての頃は、単純に大きなシステムを触れて、『楽しい』ってことだけでしたけど、今は、たとえトラブルが起きたとしても、それを含めて楽しんで乗り越えていければいい、と思うようになりまして。」
IDCF:「今までの経験だったり、ユーザーさまとのやりとりを通したりして、その思いが生まれたのでしょうか。」
馬木さん:「かもしれませんね。紆余曲折ありましたから。」
IDCF:「仕事をされる上で、馬木さんが大事にしていることって何ですか。」
馬木さん:「『一期一会』ですかね。初めてこの言葉を知ったのは小学生の頃でしたけど、『今、この瞬間は、この時限りのものだから、大事にしたい』という感慨は、年々、重みを増しているように思います。」
IDCF:「今後、仕事で注力したいことはありますか。」
馬木さん:「後輩たちの育成ですね。自分の名前を後世に残せたか、という点では、前職でスタッフロールに自分の名前が出ることなどで、ある程度かなえられたかなと思っています。今後は、後輩たちが社会に名前を刻む手伝いができたらいいなと思っています。」
IDCF:「馬木さん、本日はお話いただき、ありがとうございました!」
▼馬木さんtwitter https://twitter.com/umakit
(編集後記)
インタビュー当日の馬木さんは、こちらの問いかけに対して、「その質問に答えるとすると、それは…。」と、終始、誠実な答えを選んで話してくださいました。
馬木さんには、2015年8月に開催された、第一回IDCFクラウドMeetup(ユーザーさま主催)にて、株式会社ジープラ様(http://www.geeplus.jp/)の会場ご提供にあたり、ご尽力いただきました。
馬木さん、今後ともIDCFクラウドをどうぞよろしくお願いいたします!
(ビジネス開発本部オンライン開発部/木村史子)
【IDCFクラウドmeetup vol.3! 情報】
_2016/1/28 19:00~ @
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