今回は、技術開発本部R&D室長の大屋をご紹介します。昨年4月から大屋は自身の拠点を福岡に移し、本社の仲間とリモートワークをしながら、福岡を中心とした西日本でのビジネスを開拓するといった働き方をしています。いわゆる通常の転勤とも、首都圏でのリモートワークとも違う新しいワークスタイルを模索している大屋のインタビューをお届けします。
―まず、最近の活動のトピックを教えてください。
新規ビジネスの企画、開発を行っています。 昨年7月にヤフーのIoTアプリmyThingsで自作のデバイスと接続できる機能として「IDCFチャンネル」をリリースしたのですが、そちらの企画・開発業務と、myThingsとIDCFチャンネルの繋ぎ方や活用事例をご紹介するエバンジェリストとしての業務を中心に活動しています。
また、クラウドの活用機会を拡げるというのも僕のミッションなのですが、直近では、先月発表したアカデミックプログラムがあります。これは福岡市の大学等にIDCFクラウドを無償提供したり出張講義するといった学生へのICT支援プログラムで、九州大学などにすでに採用いただいています。
↑こちらはエバンジェリストとしての一コマ
–在宅勤務やリモートワークを取り入れている企業はありますが、行こうと思えばすぐに行ける距離というか、首都圏に住んでいるケースが多いと思うので、大屋さんの働き方はかなり珍しいかもしれません。東京を離れて感じたことはありますか?
人も仕事も東京が多いのは事実なので、福岡の企業でも東京の企業との取引がメインだったり、パートナーシップを組んでいる場合が多いです。移動も飛行機で1.5時間程度なので、カジュアルに東京と行き来している人が多いですね。
一方で同じノリで世界、とくにアジアに向けた展開をする企業も増えてきているように感じます。普段の通勤は30分で、月に数回、東京や上海に1.5時間と考えると悪くないですね(笑)。
あと面白いのが、福岡や北九州の方に東京の方を紹介していただくこともよくあります。 東京では僕は何百人いる知り合いのうちの一人として埋もれてしまうかもしれませんが、こちらではそれが何十人のうちの一人となるのでより気にかけてもらえるというか。人の縁を感じることがしばしばです。
また、IDCFは世間からはどう見えているのか、東京でたくさんの同僚や業界の人ばかりとやりとりしていた頃と比べて、よりニュートラルな視点で感じられる環境になった気がします。
―リモートワークはそれぞれメリット・デメリットがあると思いますが、実際やってみていかがでしょうか?
そうですね。職種や職責によって異なってくるとは思うのですが、単純なコミュニケーションの側面でいえば、チームで同じ場所で仕事をした方が効率いいと思います。ただ、ご両親の介護や子供の環境等々、生活スタイルも多様化してきていることを考えると、環境を選択できるようにすることはとても価値がありますし、トータルでは会社にとってもメリットがあると思っています。
細かいメリデメは、業務内容などで変わってくると思います。
僕は管理職という立場で、東京にいる部下の業務管理・労務管理もしないといけませんが、業務ついては、目標設定がしっかりできていて、本人と普段の状況や仕事の方向性など一定のコミュニケーションができていればあまり問題を感じていません。といっても、今のメンバーが自律していることもあるかもしれませんが。若手だとすると違うアプローチが必要になるんでしょうね。
労務管理については、勤怠システム上はヘルシーに働いていたとしても、顔色が悪いとか元気がないみたいなことは気づけないことがあると思います。今日は東京は蒸し暑かったとか、電車がかなり遅れていたとか、付帯情報も少ないと細かなすれ違いは起きがちです。なので、電話やネット会議では多少無駄話をするようにしています。
離れて仕事をしていても、”チーム”で仕事をやっている感覚は、どこかで持てるようにしておきたいと思っています。
―導入メリットや課題もさまざまですよね。
そう思います。会社の大事にしている文化だったりポリシーから、セキュリティや就業規則、前述のコミュニケーションみたいなものにいたるまで、課題がいっぱい出てきます。全社員リモートワークにすべきと思っているわけでなくて、目的と効果をメリデメでプラスになるならやればいいし、そうじゃないならやる意味がない。
育児や介護など個々の事情で働き方のバリエーションも求められていますし、社内のリソースや経験だけでは足らなくなって外部の会社や個人の方と一緒にやらないと立ち行かなくなるシーンも必ず出てくると思うんです。その際に相手がどんな環境であろうと、受け入れられる土壌というのがあった方が新しい人材や価値観が開けると思うし、IDCFとしても絶対にプラスになると信じています。だから、僕は地方で仕事をするということを突き詰めたいと思っています。
2016年最初の東京出張で、今年も頑張るぞ!という気持ちになったという飛行機からの一枚
―仕事に対する評価はリモートワークの方がよりシビアになると思うのですが、報告の仕方など工夫している点はありますか?
そんなに得意ではないかもですね(笑)。 進捗の報告は問題がないかぎり必要最小限、KPIなど立ててやっています。普通な感じです。成果は数字だけで説明するより、お客さまや世間から評判が聞こえてくるのが理想なので、フィードバックなどは極力いただくようにしています。
R&Dの活動は社内に伝わりづらいのですが、優先順位をつけるなかで、社内全体への伝達は最近まであまり顧みてませんでした。しかしながら、戦略策定やサービス化などのプロセスと連携してこその会社組織ですし、日々は、法務や購買などのサポートが必要ということで、R&Dニュースというのを昨年末から始め、社内に配信しています。なかなか動いてなかったのですが、中山社長からの薦めでやっと動きだしました。業務で作成したリサーチ資料などを流用しているので、じつはそれほど手間はかかってないです。
あとはリモートワークになってからは、勤怠などはより自分にシビアになったと思います。誰も見ていなからこそなおさら。後ろめたいのは嫌ですよね。それに尽きる気がします。
―では最後にプライベートでのお話を。週末はどのように過ごされているんですか?
それを話し出すと1時間はかかりますよ(笑)。
福岡はほんとに海も山もすぐ近くにあるので、週末に今日はアウトドアするぞ!!と気合いれなくてもふらっと無理せず行けるんですよ。子供たちとカヤックで博多湾に浮かぶ島(能古島)を一周したり、パパ友(子供同士が同じ幼稚園)と一緒にツリーハウスを作ったり。
自宅の近くに田んぼや畑を借りていて、庭でニワトリも十数羽飼ってます。今年は養蜂家の方ともお知り合いになれたので、養蜂にもチャレンジしたいんですよね~。
―すごい!週末はやることモリモリですね。農業ってIoTとも相性よさそうですよね。
そうですね。仕事とプライベートが近くなったので切り替えがうまくできると、仕事もプライベートも充実感は大きくなります。相乗効果です。 農業ですが、IoTって言葉ができるずっと前からセンサーで温度管理とかしている農家の方も結構いらっしゃるんですよ。一方で自分で農業やったりベテランの方に話を聞くと、自分のIoTのイメージが吹き飛ぶというか、あまあまだなと思うことがたくさんです。
そうそう、最近イノシシが罠にかかったらメールで通知するっていう監視装置を作ってみたんですよ。
―イノシシですか!?またワイルドなものが出てきましたね(笑)。
まだ色々と工夫が必要なんですが。Qiitaでも書いているので、よかったら見てみてください!
―Qiitaで「イノシシ」で検索すると1件だけヒットしました(笑)。これですね。
はい。完全にネタ系ですが(笑)。
本社との会議はほぼネット会議で参加している大屋。テレビ会議ではPC画面に映るのは共有資料が多いので、出席者がどういう反応をしているのかわかりづらいそうです。最初はこのタイミングで発言していいのか、自分の発言に対して参加者はどう思っているのかがわからず、戸惑ったとのことですが、今は気にせずとにかく自分の発言したいことをはっきり言うことにし、「だいぶKYと思われているかも(笑)」とのこと。
最後に笑顔で手を振ると相手も笑顔になり会議全体の印象がよくなるとのTipsを教えてもらいましたので、テレビ会議をする際はぜひお試しください!
☆大屋執筆 TechBlog
・根尾 IoT Bootcampレポート Day1 前編 イントロダクション
・根尾 IoT Bootcampレポート Day1 後編 フィールドワーク
・根尾 IoT Bootcampレポート Day2 ハンズオン プロトタイピング