IDCFコーポレートブログ

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設備管理だってこんなの作るんです。DC見学アプリデビュー!

こんにちは!北九州データセンター勤務、ファシリティエンジニアリング部の鈴木です! 今日は、データセンターの見学で新たに登場したアプリをご紹介します。施設の見学とアプリっていったいどんな関係が?では、詳しくこのアプリをご紹介します!

まずは自己紹介から。普段の業務は設備管理エンジニアです!

2014年に新卒で入社し、東京から北九州に異動して約3年になります。自分は福島県の出身で、学生だった2012年に地元の白河市にデータセンターができるというニュースを見て、IDCFに興味を持ったのが入社したきっかけです。

学生時代はコンピュータ理工学を学んでいまして、主にコンピュータやネットワークの基本的なところや、プログラミングの授業ではC、C++、Java、Perlなどに加え、ActionScript、Verilog、アセンブリ言語など、珍しい言語も一通り経験しました。

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DC本部 ファシリティエンジニアリング部 鈴木寿明

元々IDCFにはエンジニア志望で入社したのですが、アプリケーションの上位レイヤーを学んでいたので、レイヤーの異なるデータセンターのファシリティ業務に就くことで自身の幅も広くなるのではと考え配属を希望しました。また、趣味がバイクなこともあってエンジンとか機械モノが好きなんですよ。配属前のOJTでデータセンター見学をさせてもらったとき、たまたま非常用自家発電機の試運転日に重なったんですが、起動とガスタービンの回転音にシビれちゃってそれが決め手になりました(笑)。

現在の主な業務はハウジングサービスの提供です。お客さまがご利用になるラックや電源などの仕様を確認し、工事の発注から工事管理と検収など、サービスの利用開始まで責任をもって行います。また、九州エリアの営業活動支援も業務のひとつですね。将来的には白河で勤務できるといいなぁと思っていますが、いまは北九州で設備管理業務を勉強中です。

お客さまをデータセンターの見学にご案内するのも大切な役目

今回ご紹介するアプリは、データセンターの各見学ポイントに近づくと、タブレット端末の画面と音でガイドをしてくれるというものです。動物園の飼育舎近くにある音声ガイドをイメージしていただけると分かりやすいかなと思います。

北九州データセンターでは、お客さまだけでなく学生の社会見学やグループ会社の研修なども含め年間150件くらいの見学を実施していて、自分もそのうち50回くらいを担当させていただいています。このアプリを作ろうと思ったきっかけは、部内の検討会の場でビーコンを使ったセンター見学のアプリというアイディアが先輩から上がったこと。見学の現場ではハンズフリーの拡声器を使っているのですが、同時にご案内する人数が多いと後方にいらっしゃる方まで音声が届きにくいことがありまして。

アプリがあれば、手元でガイドをしてくれるので案内の補完に加え理解もより深まるのではと考えました。大学で学んでいた時に、研究室でiPhoneアプリを作った経験もあったので、アイディアを聞いて「それなら自分が作れるかも」と手を挙げました。

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ではアプリを起動してみます

アイディアから実際にアプリの形にするまで

まず、アイディアレベルからアプリ全体の構想と基本設計をまとめるのに2~3週間くらい要しました。見学ポイントで毎回タッチしたりQRコードを読み込ませたりするのはスマートではないので、Bluetoothのビーコンを使うことに決めて、次のような要素を考慮しながら検討を進めていきました。

  • 施設の見学導線
  • どのようなコンテンツにするか
  • どこにビーコンを設置するか
  • 案内を出すタイミングをどうするか

アプリで使うコンテンツをまとめてから、広報の方に写真素材を提供してもらったり、無いものは撮影を行なったりしました。外気導入を行う空調機器のダンパー開閉など、動きのあるものは動画で撮影、非常用自家発電機(GTG)は試運転日にあわせ起動やガスタービンエンジンの回転音の録音をしました。これだけで3日くらいかかりましたね。また、空気の流れを説明するために、動画を編集して風が流れる方向の矢印をあとから入れたりもしています。

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これがデータセンター見学のアプリです!

実際のプログラミングは業務の合間にやっているんですけど、だいたい1日1時間くらい、週だと2、3日くらい作業に割ける日があって、おおよそ2か月で作り上げました。最初の構想からスタートしてここまでで2か月半くらいですね。

アプリのトライアル導入で継続改善

アプリは9月からトライアル運用を始めました。一部のお客さまでは実運用も始めていますが、まずは部門のメンバーにテストで使ってもらい、フィードバックしてもらった意見などをもとに改善を行いました。結構指摘を受けたのでいっぱい直しています(笑)。

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アプリ開発や機能改善はこのような感じで行っています

見学は最短でも1時間、おおよそ1時間半くらい施設内を回るので、途中で飽きずに楽しくなる要素も加えたいと思いました。データセンターの設備の中でも大変重要な役割を担っている非常用自家発電設備(GTG)は、ほとんどの方が運転しているところを体感されたことがないので見せ場のひとつです。ただ、GTGの定期的な試運転日は月1回なので、そのタイミングに見学日が重なった方しか見ることができません。少しでも実運転に近い形を感じていただきたかったので、ガスタービンエンジンの運転音を録音し、実機の前で音量を上げて再生して疑似体感ができるようにしています。

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空調設備の見学ポイントに設置されたBluetoothビーコン(写真中央左)

また、アプリの説明はどなたでもカバーできる最大公約数的な内容にしていたのですが、見学をされる対象の方によって、同じポイントでもお話しする内容が少しずつ異なってくるので、経営者や役職者、エンジニアなどによって変えたいという意見がありました。

例えばエンジニアの方はセンターの仕様などを細かく確認されます。基本的なところでは、電力容量はもちろんのこと、ラックのコンセントは何口ですかとか、何系統の電力供給ですかとか、どのような経路で冗長化されていますかなどの質問をいただきます。逆に経営層の方はセンターの運営全体のお話に興味を示されます。対象者によって説明する内容を選択できるようになるといいのですが、この機能はまだ実装できてないです。これは今後の改善ですね。

部内での評判も良かったです。できあがったのを見てみんな驚いてくれて。もちろん部長には作っていることは報告をしていたんですが、拠点の異なる同僚たちはあまり知らなかったので。北九州に出張に来た社員も実際に使ってくれて、社内で報告する機会があったときには他部門の方も感心してくれました。

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出張で訪れた他部門の同僚も見学ポイントで実際に体験

アプリが完成できたのは周囲の応援のおかげ

IDCFは自分で言い出したことにチャレンジさせてくれるという社内文化があります。上司も手を挙げた時は「どんどんやれ」と応援をしてくれました。社内でもいろんな人に応援してもらったりヘルプいただいたりしてすごく助かりました。購買や契約関係は初めてのパターンのことも多かったですが、気軽に相談に乗っていただいたり、アドバイスもたくさんもらったりして、周囲の協力があってこそここまで持ってこられたのだと思っています。

今後も引き続きアプリの改善は行っていきます。お客さまに見学自体を楽しんでもらえるツールに育てていきたいですね。私たちの目線だけでなく使っていただいたからこそ分かる視点もあると思うので、ご利用いただいたお客さまからのフィードバックもどんどんいただきたいです。他拠点でもこのアプリは応用できるので、次は白河データセンターへ導入したいです。

また、見学だけにとどまらず、日常の業務の改善がアプリでできないか検討をしています。点検時にカラーコードタグを読み込ませることで対象の表示盤を画面にだしたりして、経験の浅い社員でも間違えないよう危険予知活動サポートのようなこともできるといいかなと考えています。設備の世界は手書きで記録するなど昔ながらのやり方がまだ現場に残っていたりするので、どんどんIT化して効率改善ができるといいなと考えています。

ぜひアプリを体験しに北九州データセンターにお越しください!

自分もいつかは他の拠点に異動するかもしれないので、センター見学のノウハウをアプリの形で残し、後任へ簡単に引き継げるようにしたいです。年間で百何十回も見学はあるので、これだけあればどんな社員でも、というか社員がいなくてもタブレットとアプリをお供にすれば案内ができてしまうという形が理想ですね。少しずつですが、将来はここまで持っていきたいなと思っています。

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私とアプリで北九州データセンターをご案内いたします!

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