IDCFでは開発者支援のためハッカソンなどへのサーバー協賛も積極的に行っています。今回は先日の「International Space Apps Challenge(ISAC)」にてIDCFクラウドを活用いただいたチーム「AERIAL」のメンバーの皆さんと、当社R&D室長 大屋の対談の様子をお届けします!
▲左から、猫ちゃんがかわいい和智さん、白浜さん、チームリーダー大友さんのチーム「AERIAL」と 大屋
■ナマで、大学で、漫画で宇宙と関わる3人が織りなすチーム「AERIAL」
大屋:ISACはNASAやJAXAが公開している宇宙・地球環境・衛星関連のデータを使ったアプリを開発するハッカソンで、「宇宙ハッカソン」とも呼ばれていますよね。みなさん宇宙との関わりは?
大友さん:僕は第一回目のISACに参加してぼっちで40時間ハックしていたところJAXAの人に声を掛けられてJAXAで働いたことがあるんですが、” ナマの宇宙” に触れたのはそこからです。
(一同:”ナマの宇宙”ってなんですのー?)
白浜さん:大学で宇宙物理学を専攻してました。
和智さん:宇宙兄弟とか好きです!
大屋:チームを組んだきっかけはどういう?
大友さん:先ほども言いましたが、1回目はぼっち参加、2回目に今日は来ていないのですが、JAXA のデータをJSON形式に変換するエンジンを開発するメンバーが加わり、3回目から白浜さん、和智さんの二人がジョインしてくれてコードを書いてもらいました。4回目の今回はちょっと日程が合わず二人は参加してないんですが。
白浜さん:僕と和智さんはJAXAのAPIのインターフェイスをJSONでとりやすい感じにしたいね。と元々話していたんですが、たまたまISACの現場で大友さんとお会いして、たまたまニーズが合致した!という感じです。
■ AERIAL のAPIがISAC参加者の救世主に!
大屋:業務でも近い感じのお仕事をされているんですか?
白浜さん:はい。グリーのプラットフォーム事業部でアプリ用のWebAPIを作っています。
和智さん:僕も元々白浜さんと同じ部署でAPIや面を作る仕事をしていたのですが、今はアートっぽい部署でFront Endな仕事をしています。
プライベートでOSS活動や趣味の開発を毎日行っていて、色々なAPIを読むのですが、JAXAのデータももっと直感的にWebエンジニアが使えるようなAPIだといいなと思っていたんですよね。なので、DocsやDemo、Show caseなどをWebから簡単にアクセスして見られる、みたいなものを作りました。
大屋:こういう柔らかいインターフェイスで見せるのって大事ですよね。結構ここまでは手が回らなくて、使えりゃいいんでしょ的なものになってしまいがちですが。これはまだ公開されているものなんですか?
大友さん:まさに今もIDCFクラウドで動いてますよー。
http://aerial.hi-rezclimate.org/~shoichi/api_trial/
和智さん:APIを作る時点では、どのように使われるのか全く想像できなかったんですが、それでゲームを作ったり、インフルエンザの感染拡大のマッピングに使ったりされていて、なるほどこういう風に活用してくれるんだ!とすごくうれしかったです。
大友さん:実は今回のISACではJAXAの公式データがシステムトラブルにより配布されないという事態が起こりまして、僕のところになんとかなりませんか?的な質問が続々と入ってくるわけですよ。僕もうJAXAの人じゃないし、それって僕らのタスクかなぁ・・と思いながらも(笑)やっぱりそこは協力したいので。昨年白浜さん、和智さんに作ってもらったAPIを急遽IDCFのサーバーに乗せ換えて、参加者に配布しました。
大屋:それって参加者の方にめちゃめちゃ感謝されたんじゃないですか!?参加者が選ぶベストプレイヤー賞みたいなのがあったら間違いなく受賞していますよね!
大友さん:ですかね~(笑)
■「オープンデータのハブになりたい」壮大な構想を前のめりでささえたい!
大屋:そんな参加者への貢献もしながら、プロジェクトとしては水源データを道案内するアプリを開発されたのですよね?
大友さん:そうです。今回は、「クリーンな水はどこにあるのか?」みたいなテーマだったので、自分がいる場所をGPSで特定して、一番近い飲用水がある場所までの道順を、GoogleMapで案内するアプリを作りました。裏側ではOpenStreatMapプロジェクトで世界中から集められた40万レコードくらいのデータを動かして、井戸・水道のデータを表示させています。
http://aerial-isac.cloudapp.net/public_html/aerial_2015/
ハッカソンというと上物を作りがちなのですが、僕らはワンレイヤー下のたくさんの人に使ってもらえるようなインフラ的なものを提供していきたいと思っているんです。
大屋:「AERIAL」、今後どうしていきましょうか?
大友さん:「AERIAL」の目指す先の一つにオープンデータのハブになりたいというのがあるんですね。JAXAだけでなく、他の団体や官公庁の垣根も越えて色々なデータを取り込んで、エンジニアが使いやすい形式でバラまいて。さらにそのデータを活用して例えばダムの水源が多い・少ないとか川の氾濫の恐れとかを、ハザードマップ的なもので出すという結構壮大なビジョンを持っています。
大屋: 壮大ですね!オープンデータを開示する部分は自治体や公共機関の方の努力がないと難しいですが、データやインターフェースを使いやすくする部分は、意識ある人がモデルを提示していくという方向にとても共感します。ぼくたちのサービス上でこういったプロジェクトがうごいているとおもうと、わくわくします
和智さん:こんなに前のめりになってくれるインフラ屋さんは少ないですよね(笑)
大屋:いや、もう前のめりで。みなさん、我々のような企業に期待することってなんでしょうか?
大友さん:コミュニティ支援ですかね。日本のOSSを支えている人達を支える、というような。それがベンチャー発掘とかにも繋がると思うし、うまく回ればいい循環が生まれると思うんです。
大屋:なるほど。今はハッカソンのサーバー協賛などで協力させていただいていますが、色々な支援の方向性を考えたいですね。 最後に、プロモーション的な質問をひとつ(笑)。今回、IDCFクラウド使っていただいていかがでしたか?
大友さん:これはお世辞ではなくUIがとても使いやすいと感じました。
大屋:UIにこだわっている「AERIAL」に言っていただけるとうれしいですね!
大友さん:あと、初めてスタートガイドみたいなpdfがすごくわかりやすく作られてますよね。
大屋:「めちゃ楽ガイド」ですね。ありがとうございます。
和智さん:自分もそう思いました。ネットワーク設定やサーバの立ち上げのような操作を、“自分で調べて”となっているところがわりと多い気がするんですが、ここまで丁寧にしていただけると初心者でもとっつきやすいと思います。
大屋:ありがとうございます!マニュアルつくったメンバーは、喜ぶと思います!最近は開発体制や環境も充実してきて、毎週のようにUX改善を実施しているんです。たくさんのかたのフィードバックがIDCFクラウドを育ててくれています。本日はどうもありがとうございました。
(取材日:2015年4月20日)
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