ioDrive搭載のベアメタルサーバーを巡るDBの頂上決戦 「サバフェス!2015 Spring」(主催:IDCフロンティア)が3月22日に閉幕しました。サバフェス!な人々の最終回を飾るのは、熱き戦いを制した「zzz」チーム オーナーの「@ttkzw」さんです!
@ttkzwさんこと株式会社ハートビーツMSP事業部 運用エンジニア 滝澤隆史さんにサバフェス実行委員会のメンバーである技術開発本部サービスディベロップメントグループの渡邉がお話を伺いました。
■普段のお仕事
滝澤さん: 「業務ではお客さまからサーバーをお預かりし、構築・運用をしています。LAMP構成のサイトがメインですね。」
委員会: 「ioDriveもよく触られていたんですか?」
滝澤さん: 「3年ほど前から触り始めました。ioDriveは、データベースのトランザクションが多い案件で利用されることが多いですね。急なトラフィックがある案件…例えば、ゲームやECサイトなどです。ECサイトではセールになるとトラフィックが10倍にも跳ね上がります。」
■Twitterからノリで申し込み!?
委員会: 「こういったコンテストにはよく参加されるんですか?」
滝澤さん: 「チューニング大会には参加したことがあります。以前チューニンガソンというコンテストがあり、2,3回参加したことがあります。ブログのチューニングだったかな…特に入賞することもなく。」
委員会: 「え!?今回優勝なのに、そういうものなのですか?」
滝澤さん: 「テーマによって得意不得意というのはあると思います。賞を取りに行くというよりは、Twitterで流れてきて楽しそうだったので、参加してみました。」
委員会: 「今回のサバフェスも、Twitterがきっかけ、とLTでおっしゃっていましたね。」
滝澤さん: 「はい。Hubで飲んでいて、スマホでTwitterを見ていたら、なんとなく流れてきたので、その場でなんとなく申し込みました。」
委員会: 「で、優勝ですか(笑)。すごいですね!」
滝澤さん: 「いや、全然賞を取るつもりはなくて、ioDriveで遊べればいいかなくらいのノリでした。」
■ポイントは、ハードウェア よりのチューニング
委員会: 「ズバリ、優勝のポイントは?」
滝澤さん: 「LTでもお話ししたのですが、下のレイヤーをチューニングしたことです。」
委員会: 「というと…?」
滝澤さん: 「今回は、実案件ではなく競技なので、SQL文はきれいだろうと考えました。実案件だとインデックスが貼られていないなどがよくあり、そこがボトルネックになることがあります。今回そこはボトルネックには成り得ないと考え、ハードウェアよりのチューニングをしました」
委員会: 「なるほど、その辺りのチューニングはお得意というわけですね」
滝澤さん: 「いや、すべての案件でここまでチューニングをするわけではないですよ。今回みたいに、1つのパラメーターを10回以上触るということはまずないです。」
委員会: 「なんと!10回以上も!ご自身でベンチをしながらですね。最後時間に余裕ありそうでしたが、もっとスコア上げられそうでしたか?」
滝澤さん: 「色々パラメータを調整していたのですが、1,000tpm以上増えるパラメータ調整ができなくて終わりました。1,000tpm未満は誤差の範囲だと思っていますので、それ以上の効果がないものは採用しない方針だったのです。」
▲入賞者LTでは設定のポイントを惜しげもなく披露
■ツワモノたちはみんなPercona?
委員会: 「今回、DBはPerconaを利用されていますね。上位6組は全てPercona という。お仕事でもPerconaを触ることが多いんですか?」
滝澤さん: 「今回初めて触りました。PerconaがioDriveに関する資料を出していたのは知っていたんです。ある程度、ioDrive向けにチューニングがされているのだろうと踏んでいました。実際、普通に使えましたし、チューニングもされ、安定していました。ただ、MySQL5.7は速いという情報も流れてきていますので、使ってみたいですね。」
委員会: 「今回の競技では、DBのバージョンはStable版に制限にしていたので、MySQL5.7は使えなかったんですよね。Perconaは実案件でも使えそうですか?」
滝澤さん: 「MySQLと互換性があるので、使えると思います。Perconaについては不勉強なのではっきりとは申し上げられないのですが、基本的には互換性があるのでどの案件にも利用できそうな気がします。」
委員会: 「なるほど。」
滝澤さん: 「また、資料を読んでいて、PerconaはMariaDBと互換性がある部分がある、ということもわかりました。ドキュメント機能や変更履歴を読み込んでいくと、PerconaとMariaDBはお互いの機能を取り入れているようなのです。」
委員会: 「ドキュメントというのは?」
滝澤さん: 「公式サイトです。」
■プレイベントで同僚にばったり!賞金で○○買います。
委員会: 「サバフェスに参加してよかったことはありますか?」
滝澤さん: 「大会自体は楽しかったです。集中して調べ物をする機会が得られたのもよかったです。PerconaがioDriveに関するドキュメントを出しているというのは知ってはいたものの、Perconaの文書を実際に読んだのは、大会が始まってからでした。」
委員会: 「優勝して回りの反応というのはいかがですか?」
滝澤さん: 「うーん、それほど変わらないですね(笑)。当社からは実は6チームも出ていたんです。誘い合った訳ではなかったので、1人チームばかりでした(笑)。プレイベントに行ってみたら、同僚がいた、という感じです。」
委員会: 「社内で会話もなく?」
滝澤さん: 「プレイベントのレギュレーション発表時に、事前にレギュレーションについての情報共有はしていました。あとはそれぞれ(笑)。学生バイトチームも2チームいました。こちらは複数名のチームでした」
委員会: 「学生の方も、普段からチューニングを?」
滝澤さん: 「いえ、学生は監視のチームなので、チューニングはしません。ただ、障害で、我々構築・運用チームにエスカレーションする際に、改善の提案を受けることはあります」
委員会: 「賞金の使い道は?」
滝澤さん: 「洗濯機を買おうかなと思っています。」
委員会: 「洗濯機…?古いのですか?」
滝澤さん: 「二層式なので、ドラム式なんかいいんじゃないかと。」
■面白いものを触りたい。サバフェスは技術者にとって楽しいイベント
委員会: 「今後、サバフェスに期待することはありますか?」
滝澤さん: 「面白いことやってくれたらいいですね。個人では借りられないような、面白いものを触りたいです。クラスターを組んで、全体でパフォーマンスをあげるようなものだと、ネットワークも触れますし。触れるポイントはたくさんあったほうがいいですね。」
委員会: 「今度は単にチューニングするだけではなく、何か新しい技術を創るような企画があった場合、参加したいと思いますか?」
滝澤さん: 「面白そうな企画でしたら是非参加したいと思います。」
委員会: 「今後、創りたいもののアイデアなどありますか?」
滝澤さん: 「HAProxyが1.5からSSL/TLS対応したこともあり、SSL/TLSのターミネート対応のリバースプロキシのベンチマークが興味あります。」
委員会: 「今後サバフェスに参加する方に一言お願いします。」
滝澤さん: 「集中して調べる機会があるというのは、技術者には楽しいものだと思います。サバフェスはそのような機会を与えてくれるイベントです。」
委員会: 「今後、滝澤さんご自身は?」
滝澤さん: 「うーん、変わらずサーバーの構築、運用をやっていると思います(笑)。」
委員会: 「本日はお忙しいところ、ご協力ありがとうございました!」
▲勤務先の新オフィスは明るく、エンジニアがリラックスして働ける雰囲気
(取材日:2015年4月2日)
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★表彰式での滝澤さんのLTは Slideshareで公開中です!
http://www.slideshare.net/ttkzw/svfes2
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