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北九州データセンター 施設の秘密に迫る-前編-

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IDCフロンティアでは、お客さまや業界団体などを対象としたデータセンターの見学会を行っています。 

 

先日も、国内のデータセンター事業者とその関連事業者が参加している特定非営利活動法人日本データセンター協会(以下、JDCC)」の会員向けに見学会が行われました。データセンターは一般の方は中々入る機会のない施設ですが、今回は見学会の模様とともに、その一部をご紹介します。

今回の見学会の舞台となったIDCフロンティアの北九州データセンターは、国内に9ヶ所ある弊社データセンターの中でも最も規模が大きく、西日本最大の拠点でもあります。北九州市と言えば、みなさん何を思い浮かべるでしょう?小学校でも習ったご記憶があるかもしれませが、1901年に操業を開始した官営八幡製鐵所があることでも知られる工業都市で、その昔、製鐵所の建設地に選ばれたくらい自然災害のリスクが低い地域であることから、大事なデータをお預かりするデータセンターの立地にも適しているのです。

そんな北九州市は意外な「日本初」が存在していて、バナナのたたき売りや24時間スーパー、都市モノレールやアーケード商店街も北九州市から始まったのだそうです。そうそう、焼うどんも小倉が発祥の地と言われているんですよ。

さて、北九州市の小ネタはこれくらいにして、本題のデータセンターの話に戻ります。北九州データセンターは需要に応じて棟を増やすモジュール建設方式を採用し、2008年に1号棟が竣工、最大11棟(発表当時は12棟)まで建設可能な敷地に、現在は5号棟まで建設されています。敷地面積は約30,000平米、各棟をあわせた延床面積は約22,550平米です。1棟あたり530~570ラックが収容されており、全棟の総ラック数は約2,730ラックとなっています。1ラックの仕様は棟によって42~49Uと異なるのですが、ここにきっちりサーバーを詰め込んでいくと、理論上は約12万台(!)が収容できる計算となります。

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従来のデータセンターでは、室内で発生するサーバーの排熱を空調機で冷却して循環させていましたが、この方式では冷やすための電力もかなり必要となります。2008年に最初に建てられた北九州データセンターの1号棟では、国内の商用大規模データセンターとしては初めて外気空調を採用し、次の図のように施設の片側から涼しい外の空気を取り入れ、もう一方から暖かい空気を外に放出する仕組みになっています。

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次の写真は、壁に面した外気を取り込むダクトの部分です。イメージとしては焼肉屋さんでロースターの上にある煙を吸い込むダクトを思い浮かべていただくのがピッタリですが、そのサイズはとても大きなものです。

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また、サーバー排熱の再利用の可能性について実証実験も行い、冬季の温室栽培の暖房の代替エネルギーとしても活用が可能であることが確認されました。この実験に用いられた温室は現在もそのまま残されているんです。

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こちらは特別高圧の変圧器です。現在は30メガボルトアンペアの受電能力があり、将来の棟の増設に備えて変圧器も拡張可能になっています。

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ここから各棟に電力が供給され、変圧器で電圧を下げた後にUPS(無停電電源装置)を経由して、各ラックに電力が供給されています。

このUPSにはバッテリー(自動車などに積まれていものと基本的に構造は同じもの )が接続されており、万が一の停電や、瞬時停電/瞬時電圧降下が発生した際には、商用電源から無瞬電で電力供給が切り替わる仕組みになっています。装置の内部では交流で受けた電力をいったん直流に変換し、その後交流に再変換していますが、いったん直流に変換しているのは電源としてバッテリーの直流回路に接続しておくためです。

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バッテリーでは長時間の電力供給ができませんので、その間にガスタービン発電機を起動させ、安定した電力が得られるようになった時点で切り替えるようになっています。発電機を動かすA重油はオイルタンクに備蓄されていて、連続無給油で72時間まで電力供給が可能です。

もしもの場合に発電機が起動しないと大変なことになるので定期点検は欠かせません。毎月実際に発電機を起動させているんですよ。

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ここまででデータセンターの電力設備を中心にご紹介してきました。次回はサーバールームの空調の仕組みについてご案内したいと思います。

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